集中講義タイトル:QBiCで展開する先端生命科学研究
世話教員: 岡田康志(招へい教授)
担当教員: 岡田康志、田中陽、城口克之、渡邊朋信、岩根敦子、古澤力(QBiC)
日程:12月19日~20日
時間割(予定):
12/19 (月) 10:10-12:00 岡田、13:00-14:50 城口、15:00-16:50 岩根
12/20 (火) 10:10-12:00 田中、13:00-14:50 渡邊、15:00-16:50 古澤
各講義のタイトルと概要
岡田「第3世代細胞生物学」
生命の基本単位としての細胞概念の確立以来、顕微鏡技術の進歩が細胞研究のイノベーションを支えてきた。本講義では、その歴史を振り返りつつ、私たちの研究の紹介を通じて、最先端の顕微鏡技術により切り拓かれつつある次世代の細胞生物学研究を展望したい。
城口「次世代シークエンサを用いたハイスループット定量計測最前線」
次世代シークエンサは、シークエンサを配列決定装置から定量計測装置へと変革し、多様な研究のアプローチを生み出した。本講義では、次世代シークエンサの原理とともに、QBiCで展開する次世代シークエンサを用いたハイスループットデジタル計測法、一細胞解析、シークエンシングとイメージングの融合研究などを紹介する。
岩根「今まで見えなかった細胞超微細構造のラビリンスを探索する」
細胞内微細構造を先端電子顕微鏡観察し、細胞分裂、分化などの状態における細胞場と標的超分子や小器官のダイナミックスを光学顕微鏡などと共同して明らかにする細胞場高分解能可視化研究開発内容について自分で理解し、議論を行う。
田中「集積バイオデバイスの創成とその展開」
生命システム研究センター・集積バイオデバイス研究に関する様々なデバイスや技術開発に関する内容について、その背景や最新開発動向も含め概説する。
渡邊「線形・非線形散乱光を用いて生命現象を定量する」
生命科学研究において、光学顕微鏡は必須ツールである。蛍光顕微鏡技術に関しては、多くの教科書がありセミナーもある。一方で、ラマン散乱顕微鏡や光第二高調波顕微鏡など線形・非線形散乱光を用いた技術は、再生医療等の蛍光観察に不向きな分野において威力を発揮する。しかし、これらの光発生の物理原理や、これらを用いた生体計測原理を扱う講義や教科は少ない。本講義は、生命システム研究センターで実際に行われている研究例を紹介しながら、線形・非線形散乱光を用いた定量計測技術について学習して頂く。
古澤「生物システムが持つ普遍的性質の理解へ向けて」
適応・進化・発生・免疫といった多数の要素が関与するダイナミックな生物現象について、計算機シミュレーション、理論解析、構成的生物学実験を統合することにより、系が持つ普遍的な性質がどのように抽出できるかを紹介し、生物システムの理解へ向けた研究の方向性を論じる。
成績評価:出席点+レポート(各講義で提示されるレポート課題の中から1つ選び後日提出)